家事能力があったなら
その番組の感想のひとつとして、「彼らにしっかりとした家事能力が備わっていても、同じ生活をしていただろうか」というものがありました。
もちろん、本人たちの考え方はあるでしょう。ただ、とりあえず家事能力があったのなら、紹介された年金額でも、なんとか家を借りて生活できたかもしれない。菓子パンを買うお金で、もう少し栄養のある食材が買えたかもしれない。
当時、家事というものにさほど重きを置いていなかった私に、この番組はその重要性を改めて考えさせてくれたのです。
思えば私の世代の多くは、社会に出たのち、日々、目の前の仕事や多くの同世代たちとの競争に忙殺されていました。
一方、専業主婦をされる方もまだ多くいて、男性どころか、子どもが台所であれこれするのもあまり好んでいなかったように思います。
しかし、そこから月日は経ち、今30代となった娘の世代の結婚観をみてみれば、相方との諍いの原因のなかに、「家事を何もしてくれない」「いや、やっている」「これくらいではやっているうちに入らない」といった応酬がよく散見されます。