【その4】気分が晴れないときは深呼吸をするべし
とくに何か悪いことが起きたわけでもないのに気分がスッキリしない、落ち込む。あるいは、イライラが止まらない――。そんな感情に支配されているときは、深呼吸が効果的です。
人は緊張したり、落ち込んだり、イライラしたりすると、必ず呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなると、体内に取り込む酸素量が少なくなるため、脳に行く血液量と酸素量も減って、感情をうまくコントロールできなくなるのです。
全身に酸素を行き渡らせるためにも、横隔膜を伸縮させて行う「腹式呼吸」を身につけましょう。椅子に座り、鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、いったん息を止めたら、今度は口からゆっくり息を吐きながらお腹を凹ませる。
夜、眠る前にベッドに横になって行うと、より自然にできるでしょう。
心をこじらせない6ヵ条「その5」「その6」につづく
保坂隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
1952年山梨県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に仏門に入るなど仏教に造詣が深い。
著書に『精神科医が教える お金をかけない「老後の楽しみ方」』(PHP研究所)、『精神科医が教える 繊細な人の仕事・人間関係がうまくいく方法』(三笠書房)、『精神科医が教える すりへらない心のつくり方』(以上、大和書房)、『頭がいい人、悪い人の老後習慣』(朝日新聞出版)、『精神科医がたどりついた「孤独力」からのすすめ』(さくら舎)などがある。