本質的な「習得」とは

ただ、本質的な「習得」とは、丸暗記することではありません。

数学の定理や公式は、過去に数字に向き合ってきた人が効率的に問題を解けるように体系的にまとめたものです。そのおかげで、私たちは算数や数学に関連する問いを短時間で理解したり解決したりすることが可能になりました。

少し大げさですが、人類の進歩により、現代の私たちは合理的に算数・数学の問題に取り組めるようになったのです。

これらの定理や公式を覚えることが「習得」だと思われるかもしれませんが、本来の「習得」とは、詰め込み型の暗記ではなく、先人がまとめた知見を適切なポイントでいかす力のことを指します。

つまり、算数の練習問題は、過去にまとめられた知見を「習得」しながら、それを活用できるように「思考」していくことが目的になってくるのです。

Check!
・「思考」とは、考える力のこと。「習得」とは、少しずつ勉強を積み重ねて知見を身につけること
・「習得」は単なる暗記ではなく、過去に導きだされた知見を適切なポイントでいかす力でもある

 

※本稿は、『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

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