応援し、心配してくれていた親友と絶縁

当時、私を心配してくれていたいつきは、25歳になった今でも一番の親友だ。

でも高1の終わり頃、一度友だちをやめることになった。

井上咲楽
(撮影:荻原大志/写真提供:徳間書店)

友だちにやめるも、始めるもない気がするが、この時は明確に「友だちをやめましょう」ということになった。

原因は、私だ。

ネガティブな妄想を広げては、勝手にへそを曲げて、意固地になって、うまくいかないことを周りのせいにしていた。

「学校に行くと仕事がないと思われる」という不安があって、それでもまったく行かないわけにはいかない。とはいえ、家でぐずぐずして、遅刻する。登校しても「みんなが悪口を言ってくるクラスなんてイヤだ」と、人のいないパソコン室に隠れる。渋々、教室に行ってもとにかく眠くて仕方なくて、授業中も休み時間も机に突っ伏している。

はたから見たら、行動が意味不明だったことだろう。

気づけば私はクラスで孤立していた。

いつきは心配してくれたけど、それがとにかく癪に障った。いつきからやさしくされればされるほど、意固地になってしまう。とんでもないくそ野郎だったと思う。

いよいよ向こうにも愛想を尽かされて、私たちは必要最低限の会話しかしなくなっていく。

引くに引けなくなった私は、先生にこう伝えていた。

「2年になるクラス替えでは、絶対にいつきとクラスを離してください!」

そうして、私たちは1年近く口をきかなくなっていく。