セットを壊し、撤収する作業音が響く中で

観客が帰り、誰もいなくなった客席の中央に立った堂本さんを囲んでの会見。緞帳の向こうからは、セットを壊し、撤収する作業音が響いていた。その音を堂本さんはどんな気持ちで聞いていたのだろう?

『婦人公論』2024年12月号のインタビューで、「僕自身、新しくなった舞台に立ちたい思いはありますが、完成時に自分が何をやっているか、どうなっているか、その時の状況次第でしょうね」と語っていた堂本さん。

数年後に新しい帝劇が完成して、仮に再び『SHOCK』の幕が上がったとしても、それはまた別の舞台だ。ここまで続いた歴史に区切りがつくのは寂しいが、まずは「24年間、本当にお疲れ様でした」と心からの言葉を贈りたい。

筆者自身、現在の形の帝劇に足を踏み入れるのはおそらくこの日が最後。これまで『SHOCK』や『DREAM BOYS』の取材で幾度となく訪れた、思い出深い場所とも今回でお別れとなる。空間を華やかに彩るステンドグラス、2階に上がる大階段、ワインレッドの絨毯――。観客に混じって終演後のロビーと外観の写真を何枚も撮り、劇場を後にした。