イラスト:めぐろみよ
太っている人とやせている人の違いは、“味覚の差”だといいます。空腹を我慢せずに、無理なく体重を減らす方法をダイエット外来医師の工藤孝文さんに聞きました(構成=山田真理 イラスト=めぐろみよ)

食べたい欲求を無理なくダウン

ダイエットを成功させるには、「食欲」と、食べたいのに食べられない「ストレス」のコントロールが重要です。そこで問題になってくるのが“味覚の個人差”。なぜならば、太っている人は高脂肪で糖分の多い食事をつい欲してしまいがちだから。私はあえてこれを「デブ味覚」と呼んでいます。(下欄参照)

ダイエットを始めても、ヘルシーな食材や味付けをおいしいと感じられず、ストレスがたまって挫折してしまう。それならば、濃い味でなくても満足できる「やせ味覚」に自分の感覚をリセットしましょう。

そのために最適なのが、私の考案した「やせる出汁」です。4種類の材料で作ったパウダーにお湯を注いで飲み続けることで、素材本来のうま味を感じられるようになり、食べたい欲求がダウン。無理なく体重を落とすことができるのです。

その理由の一つが、パウダーに含まれるかつお節のヒスチジン、昆布のグルタミン酸、煮干しのイノシン酸、緑茶のテアニンの相乗効果で高められたうま味。

かつお節に含まれるヒスチジンには食欲抑制効果があり、亜鉛は味蕾の細胞の新陳代謝を促して味覚リセットをスムーズにする効果もあります。味蕾の細胞は10~14日で入れ替わるため、続けるうちに濃い味付けが「しつこい」と感じるようになるでしょう。

もう一つ重要なのが、ストレスの緩和です。太りやすい人は幸せホルモンとも呼ばれる脳内物質のドーパミンやセロトニンの分泌が少ない傾向にあるのですが、かつお節に含まれるトリプトファンはセロトニンを作る材料に。緑茶のテアニンにもイライラを抑える効果があります。

朝・昼・晩1杯ずつ飲むほか、料理に使う量に制限はありません。毎日の生活に取り入れて、健康的な「やせ味覚」になりましょう。

※持病がある人は医師に相談してください
 

あなたの味覚をチェック!

□ コンビニ弁当やスーパーの総菜が好き
□ おなかが空いていなくても、食事の時間になったら食べる
□ 肉はヒレよりロース派
□ 焼き鳥は塩よりタレ派
□ こってりした味が好き
□ スイーツは別腹
□ 添付のタレやドレッシングは使い切る
□ ソースやケチャップは必ずつける
□ 外食が週5回以上


*ひとつでも当てはまったら、「デブ味覚」かもしれません