「もう…衛門の好きにしてよいわ」
その勢いを前に目を伏せる倫子。
すると赤染衛門は「仮名文字で書く史書はまだこの世にはございませぬ。歴史をきちんと押さえつつ、その中で太閤様の生い立ち、政の見事さとその栄華も極みを書き尽くせば、必ずや! のちの世までも読みつがれるものとなりましょう」と怒涛のように話し続けます。
ここで<二人のそばで毬を転がすこまる>という副音声が。
そして目をぱちくりとさせた倫子が「もう…衛門の好きにしてよいわ」と赤染衛門へにこやかに告げたところで、「にゃ~ん」と猫のこまるの鳴き声が流れるのでした。