高齢化社会が最初に来た地
田舎が「消えた」というと、田舎の人は怒るかもしれない。これは実際に消えたというよりも、意識から消えたのである。
いわゆる高齢化社会を考えてもわかるであろう。なぜなら、高齢化社会が最初に来たのは、日本列島のなかでは、過疎地だったからである。
それからずいぶん経って、やがて「高齢化」社会になるとマスコミがいい出した。それを見聞きして、私は一人で腹を立てていたが、それは過疎地ではとうの昔に高齢化社会が来ているのに、あたかもそうした事態がこれから来るように報道したからである。
この例だけからでも、いかにジャーナリストが都会人かわかる。自分のいるところが「高齢化」しない限り、高齢化社会ではないのである。