阿部のライバル作戦
捕手出身の新監督にチャンスをもらった2人のうち、新たに頭角を現したのは岸田だった。88試合に出場し、打率.242、本塁打4、二塁打10、得点圏打率.203。
小林も打率は.152ながら42試合に出場し、前季の21試合から倍増している。6月以降は出場機会が減少し、おもに相性のいい菅野智之とバッテリーを組んだ。
この阿部のライバル作戦は、前年まで正捕手だった大城にも刺激を与えた。今季は開幕から調子が上がらず、5月は3試合出場でノーヒットだったが、6月に一塁に入ってから目が覚めたように復調した。とくに6月23日以降、3番・ヘルナンデス、4番・岡本和真、5番・大城のクリーンナップが定着してからは巨人の白星も多くなった。
正捕手争いの焦りとストレスから解放されて、バッティングに集中できたのかもしれない。
※本稿は、『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』(著:広岡達朗/朝日新聞出版)
4年ぶりリーグ優勝“新生巨人”の1年目を92歳・大御所OBが激辛総括!
なぜDeNAに負けたのか? 阪神・広島はなぜ失速した? 大谷翔平の来季はどうなる?
――球界の未来を語り尽くす。