2024年9月、阿部慎之助新監督率いる読売ジャイアンツが、4年ぶり39度目のセ・リーグ優勝を果たしました。大混戦となった2024年シーズンでしたが、巨人OBで野球解説者の92歳・広岡達朗さんは「巨人が強くなったのではない。他がだらしないのだ」と厳しく評価しています。そこで今回は、広岡さんの著書『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』より一部引用、再編集してお届けします。
大混戦の2024年シーズン
私は毎年、プロ野球が開幕すると、マスコミからシーズンの順位予想を聞かれる。
そんなときは、各チームのキャンプ内容を見て展望を語ることにしている。
そして2024年のセ・リーグは「連覇を目指す岡田阪神と、阿部慎之助を新監督に迎えた巨人が先頭を走り、2年目を迎える新井貴浩監督の広島がそこに絡む展開になるだろう」と見ていた。
ところが阪神、巨人が序盤からもたついて、交流戦が始まるまでは首位・阪神から2位・広島、3位・巨人まで2ゲーム差。4位・中日、5位・DeNAも阪神から4.5ゲーム差にぶら下がって大混戦になった。