「グループに分かれて」の恐怖

食事を済ませ、BBQの買い出しに。ここで次の難関。子どもが12人いるので、子どものお守りグループ、買い物グループの「二手に分かれて行動」ということになった。でた。恐怖の「グループに分かれて」。経験の浅い“人見知り族”ならば、これ一発で即死であろう。

『褒めてくれてもいいんですよ?』(著:斉藤ナミ/hayaoki books)

この選択は、有無を言わさず子どものお守り組だ。食材の買い出しなんてハイレベルすぎる。何を、何個買うのか? 予算はどのくらいなのか? ボケは必要なのか? 考えること、試されることが多すぎる。独断で食材をカゴに入れる強いハートなんぞ持ち合わせていないため、おのずと「どれが良いかなあ?」などと誰かに話しかけなくてはいけない。その際はタメ語なのか? 敬語なのか? はたまたミックスか? 小ボケは必要なのか?危険すぎる。

子どものお守りでヘトヘトになっていれば、それだけで良い人の印象が保てる。故に私はそちらを選ぶ。キッズが喜ぶことなら分かる。全力で腕相撲だ。それさえしていればなんとかなる。治りかけの四十肩が悲鳴をあげるが、なんのその。

これでようやくショッピングモールはクリアだ。買い出しが終わり、各家庭、車に乗ってキャンプ場へ移動する。

一旦、車でグミを食べ、MPとHPを回復する。もうすでにだいぶ疲弊している。

いよいよ本丸、キャンプ場に着いた。次は川遊びだ。移動の間は常に子どもたちにピッタリと張り付いておく。

それにしても夫は楽しそうだ。根っからの陽気者である彼は、陰気な妻の呪いから解放されて、ここぞとばかりにものすごく浮かれている。ダサいレインボーカラーのシャツを着ているけれど、あんなものを今までに洗濯した記憶はない。きっと今日のために買ったんだろう。なんてこった。めちゃめちゃ楽しみにしてるやん。

川も基本的には「子どものお世話でいっぱいいっぱい」作戦。プラス、よその子が視界に入ったら、都度「気持ちいいね~(にっこり)」これでOKだ。

あぁ、しかしもう限界。正直もうショッピングモールで限界だった。まだ15時? 信じられない。もう22時の疲労感だ。帰りたい。今すぐ家のソファに横たわって、コーヒーを飲みながらX(Twitter)を見たり、漫画の続きを読んだり、猫ちゃんの動画で癒やされたりしたい。

時計を見てうんざりする動作を、もう50回はしただろうか。目線の先では、このメンバーのリーダー的存在の男性が滝に打たれて「うおー、修行だー!」とはしゃいでいる。