SNSは「自律神経を乱す最大の元凶」

すなわち、SNSは「自律神経を乱す最大の元凶」と言ってもいいくらいのツールなのです。

「他人の言動」はコントロールできませんし、決して自分の思い通りになってはくれません。しかも、SNSでは相手の顔すら見えないことも多い。そんな制御不能の大勢の他人たちに日夜振り回されていては、自律神経がガタガタに乱れてしまうのも当たり前です。

SNSヘビーユーザーの中には、悩みやストレスをためすぎてメンタルを病んでしまう人も多いようですが、私はそうなってしまうのも当然という気がしています。

もっとも、そういった実情はあるとはいえ、私はSNSの利用自体を否定するつもりはありません。

情報収集のツールとしても、あるいは友人や仲間との連絡ツールとしても、SNSはすでに私たちの暮らしに欠かせないものになってしまっています。どんなに自律神経をかき乱すものだとしても、利用すること自体をやめろというのは非現実的でしょう。

『心と体が乱れたときは「おてんとうさま」を仰ぎなさい: 人生が大きく変わる自律神経のルール』(著:小林弘幸/草思社)

それに、じつは私自身もインスタグラムをやっていて、けっこうハマッているのです。街角で出合った風景や心に残った風景をスマホで撮影して、その中の出来映えのいい写真を投稿しているのです。

私の場合、単に投稿しているだけで、書き込みをしたり、レスを返したりはしません。いまの距離感を保って、いま以上に深入りするのはよそうと思っています。でも、この写真撮影とインスタ投稿に時間を費やすようになってからというもの、心なしか日々のストレスが軽くなり、生活に充実感や潤いを感じられるようになったという気がします。

ですから、SNSにもプラスになる面があるのです。SNSを利用する人は、「自分にとってプラスになる面」と「自分にとってマイナスになる面」を十分理解したうえで、自分のためによい面だけを切り取って使っていく必要があるのではないでしょうか。