「4年前、コロナ禍で空いてしまった劇場から『2週間、何かやってほしい』と頼まれた時も、真っ先に木野さんに電話したんです」(渡辺さん)

演劇界における同志として

木野 私が最初にえりの芝居を観たのは、シアターグリーンかな。すごく印象深い演目で、「渡辺えり、面白い」ってインプットされたのね。

次に観た時は、イメージしているものが豊かで、言葉に力を持つ作家だと感じた。ずっと注目してきたから、一緒に芝居をやることになった時、躊躇なく組めたんだと思う。

渡辺 4年前、コロナ禍で空いてしまった劇場から「2週間、何かやってほしい」と頼まれた時も、真っ先に木野さんに電話したんです。大勢で舞台に上がれないから「トークショーを一緒にやってもらえませんか」と言ったら、「何言ってるの。やるなら新作じゃなきゃダメでしょ」って。

木野 ちょっと、やめてよ。私が怖い人みたいじゃない(笑)。それで、えりと私で二人芝居をすることになったけど、あれはかなり無茶な公演だったわね。

渡辺 無茶ですよ。『さるすべり~コロナノコロ~』は、1週間で書き上げましたから。でも思いのほか評判がよかったのよ。

木野 私はえりの芝居が好きで、もっと作品を観たい。だからそのためにできることがあるなら、協力したい、という気持ちがあるのね。作・演出ともにできる同世代の女性って、あとはもう永井愛さんくらいじゃない。互いに助け合っていきたい、といつも思っています。

渡辺 本当にそうね。