鳳凰堂内は絶対に見るべし

その後、鳳凰堂内部の観覧へ。職員の方の説明によると、鳳凰堂は天喜元年(1053 年)に建立された阿弥陀堂で、本尊の阿弥陀如来坐像は仏師・定朝の作として確証ある現存唯一の作品とのこと。

こちらも残念ながら撮影はできませんでしたが、寄木造りで漆箔を施された阿弥陀如来坐像は像高は277.2センチということで、大迫力。さらに拝観人数が限定されていることもあって、静寂な中で相対した仏像からは、その目で心を見通されているような緊張感も覚えるほど…。

建立から1000年を超え、堂内の扉や壁を飾っていた極彩色の絵画は多くが剥落していましたが、それでもしっかりと保護・管理がされているため、解説を通じて当時の栄華をうかがうことができます。

さらに堂内上部には、楽器を奏でて舞いを舞う雲中供養菩薩像がズラリと配置されているのですが、鳳翔館にそのうち26躯が展示されているので、そちらではより間近で鑑賞することが可能に。

なおここに至るバスの中では、先生から「日本独自の形式で作られている阿弥陀如来坐像は、運慶の時代などと大きく異なり、筋肉が目立たず、柔らかく温和の印象を受ける」といった解説を事前に頂いていました。

その間、展示にせよ、解説にせよ、事前にある程度の情報を得たことで、限られた時間をより深く楽しめたとしみじみ。これは一人で寺院や遺跡をフラッと訪れただけで得られる満足感ではないかも…。

とにかく「鳳凰堂」は先生が仰っていた通りで、<宇治まで来たら一見の価値アリ>ということだけ、あらためてお伝えしたいと思います。