まずは平等院へ

そうした背景を把握したところで、バスは平等院に到着。

京都府宇治市宇治蓮華に位置する平等院の本尊は阿弥陀如来、開山は明尊。開基は『光る君へ』にも登場した藤原道長の息子・頼通です。

もとは光源氏のモデルともいわれる源融の別荘だったものが、宇多天皇らのもとを経て、摂政・道長の別荘「宇治殿」になったとのこと。

その景色が10円硬貨に使われているのはもちろん、1994年に登録されたユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」の構成物件の一つとなっているという、世界的にも有名な寺院です。

ですので、訪れたのは紅葉や修学旅行シーズンが終わりを迎えた12月中旬でしたが、それでもインバウンド含めて、人がたくさん! 『光る君へ』で乙丸役を演じた矢部太郎さん、いと役の信川清順さんもNHKの特番で訪れたそうですが、その混雑ぶりにはクライマックスを迎えたドラマの盛り上がりの影響もあったのかもしれません。

自分の別荘へこんなに人がやってくるとは、極楽の道長もさぞびっくりしていることでしょう(写真:婦人公論.JP編集部)

さっそく散策すると、極楽浄土の宮殿をモデルにした中堂や、左右の翼廊がもたらす迫力はもちろん、柱に塗られた朱色が水面に映る景色にため息が。まさに”映え”。

その平等院を歩きながら、本郷先生は「周囲の池は極楽浄土の宝池を模していて…」といった様子で、ツアーに参加された皆さんの質問にてきぱきと答えていきます。