「悲しむのも、楽しむのも、そもそも一人の時間って大切なものなのよ」(木野さん)

友との時間も一人の時間も大事に

渡辺 2025年1月5日に私が70歳に、8日には木野さんが77歳になりますね。8日は木野さんにも出演していただく舞台『鯨よ! 私の手に乗れ』『りぼん』が初日を迎えます。

木野 『鯨よ!~』は年を重ねたり認知症になったりした劇団の仲間が介護施設に入ることになって、みんなで芝居の稽古をする話よね。

渡辺 施設に入っていた私の母をモデルに書いたので、私の弟や私自身も出てきます。『りぼん』は関東大震災から現代まで、女性がいかに苦難を乗り越えて生きてきたかを描いた、女性の生きづらさをテーマにした作品。

03年の初演時は主軸となる役を木野さんがやってくださいましたが、今回は室井滋さんにお願いしました。出演者はどちらも40人くらい。大集団で舞台をやるなんてお金がかかるから、なかなかできないことですけど、私ももう70歳。思いきっての挑戦です。

木野 えりには年を取っても悟ることなく、ずっとこのまま夢や煩悩を抱えて走り続けてほしい。