夫の鎮魂の旅のつもりが、1人参加のツアーにハマりそう…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは茨城県の70代の方からのお便り。亡くなった夫への後悔から、お遍路巡りに行こうと思い立ち――。

後悔を胸に旅立てば

今年2月、夫が79歳で亡くなりました。すぐに葬儀の手配や仏壇の購入などで慌ただしくなり、四十九日の法要が終わったら次は遺品整理。ようやく一息つくと、ふと頭をよぎるのは後悔でした。

どうして夫の病気に早く気づけなかったのか、こんなことならもっと優しくすればよかった、話したいこともまだまだあったのに――。

同じく夫に先立たれた友人は、後悔しない人はいないと励ましてくれましたが、考えてしまうものは仕方ありません。

そんな時、友人が以前行ったという四国のお遍路巡りを思い出しました。自分の足でゆっくりと歩きながら夫を想えば、少しは胸の内が楽になるかもしれない。

でも四国は遠いし、長く家を空けるのも……と迷っている折、目に留まったのは「熊野古道を3日間で歩く」というツアー。一人旅の経験はありませんが、思い切って申し込んでみることにしました。

30人の参加者のうち、女性の1人参加は5人です。初日の昼食の際、みなで話していると、なんと全員が同い年と判明。より打ち解けられました。ツアーが終わってもまたお会いしたいと思える、素敵な出会いに感謝です。

ホテルは2人部屋を1人で、バスは2席を1人で、でも食事は一緒にと、一人旅とツアーのいいとこ取り。快適に過ごせました。

夫の鎮魂の旅のつもりが、1人参加のツアーにハマりそうです。彼も私が楽しく過ごしていれば安心するだろう、といいほうに考えましょう。


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