受診した医院の先生は…

今年も受診の時期が巡ってきた。市の指定医院一覧表のなかから選んで出向いた隣町の医院はレトロな造りで、スタッフの皆さんは親切で明るい。

身体測定、血液採取と一連の検査が進み、いよいよ診察室の先生とご対面。パリッとした白衣に身を包んだ先生は好印象だった。ところが、質問してくれている先生の背中からちらっと見えたパソコン画面に、私の名前が間違って表示されているのに気づく。

「先生、私の名前間違っています」。思わず指摘すると、すぐに厳しい声が飛んできた。「そんなことは受付に言って!」。

(ここで口にしてはいけなかったのか……!)ビビり屋の私はその瞬間に気持ちがめげてしまい、受け答えもしどろもどろに。検査結果の説明を受け、逃げるように医院を後にする。

ああ、今年も主治医は見つからず……。


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