そして、いま――
池畑さんに、いまのお気持ちを伺いました

『婦人公論』は、まだ小さい判型だった頃から読み続けてきた雑誌です。自分の文章が載るなんて嘘みたい。こうしてお電話をいただき、嬉しく思いました。

短歌などは好きでつくり続けてきたけれど、このような長文を書いたり、自分のこれまでを綴ったりしたことはなかったですね。それに原稿を郵便ポストに入れたら安心して、投稿したことをすっかり忘れていました(笑)。

ただ応募したのは、自分の人生が終盤に近づくなか、「こういう生き方もあるんだよ」ということを書き残してみたい気持ちになったからだと思います。長い人生には、ほかにもいろいろなことがありました。とてもここには書ききれません。

夫が亡くなってからも店は続けましたが、段差で躓いて肩を打ったのを機に、閉めることにしました。それから7年ほど経つのに、これまでのお客様をはじめ、いろいろな人がひとり暮らしの私を訪ねてくださり、お弁当やら野菜やらお裾分けしてくださいます。

今年に入って脳梗塞を起こしたのですが、もうすっかり快復し、歩けるようにもなりました。周囲のお友達に支えられて、いまの私がいます。本当に感謝しかありません。