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「女手一つで子育てしながら、6年で1000万円を貯めた」と話題を呼んだ小松美和さん。「生活のムダはお金を捨てているのと同じ」を信条に、マイホームを持つという夢を叶えるまで続けた節約テクニックとは(構成=上田恵子)

借金を抱えた夫に、「離婚して」と土下座

私は現在、節約術を紹介するサイトを運営しているほか、地元・福岡を拠点にテレビやラジオ、セミナー等で節約研究家として活動しています。数々の節約が実り、家を買うという目標を達成しましたが、32歳で離婚して以来、4人の子どもたちを育てながら、の貯蓄でした。

結婚したのは、高校を卒業して働いていた22歳の時です。夫は、4歳上の自営業者。収入に多少の波はありますが、生活には余裕があったので、家にいてほしいと望む九州男児の夫に従い専業主婦になりました。その頃の私は、ブランド物をたびたび購入するような、節約生活とは無縁の主婦でした。

子育てに追われながら10年が過ぎた頃、思い切って一軒家を買おう、という話が夫婦の間で出ました。当時住んでいたのは3DKの団地だったので、子どもたちを庭のある家でのびのび育てたいと考えたのです。

そんな矢先、夫に300万円もの借金があることが発覚。原因はギャンブルと浮気でした。しかも複数の消費者金融から借りていることもわかり、何も知らなかった私は唖然……。もはや家を買うどころではありません。

夫は毎月10万円をローンの返済に充てていましたが、かなりの額が利息で消えてしまうため元金が減らない。夫婦で揉めることが増え、暴力もふるわれるようになったので、「子どもに見せられない」と離婚を決意するに至ったのです。

夫には、2度の離婚歴がありました。2人の前妻に慰謝料や養育費を支払っていなかったということは、今後の援助は期待できません。そこで「借金を返すには、2人で働いたほうが早いと思う」と言いくるめ、100万円を貯めることを目標に、コンビニでパートを始めました。

その時、私の手元にあったのは50万円の貯金のみ。半年働いて残りの50万円が貯まるとすぐ、夫に「離婚してください」と土下座をして頼みました。さすがに抵抗できなかったのか、受け入れてくれましたね。

家を出る夫が、アパートを借りて一から家財道具を揃えるのは大変だろうと、結局、50万円を渡して送り出しました。友人には「意味がわからない。全部自分で使えばいいのに」と呆れられましたが、もとはといえば、彼が稼いだお金から貯めたもの。自分の力で貯めた50万円だけでやっていこう、と思ったのです。