「不安やイライラ、めまい、不眠などの不調を訴えて『過緊張』や『不安症』と診断されるビジネスパーソンが増加傾向にある」――。そう指摘するのは、精神科医の和田秀樹先生です。人前に出ると頭が真っ白になったり、過度な緊張状態が続いて自律神経のバランスが崩れたり…。緊張や焦り、不安を落ち着かせるためには、どうすればよいのでしょうか。今回は和田先生の新著『仕事も対人関係も 落ち着けば、うまくいく』より、精神医学や心理学の観点から、平常心を取り戻して自分の本領を発揮するための方法を一部ご紹介します。
自分が食べたいものを食べる
人間も含めて、動物は飢えていると、交感神経が優位になって、イライラしたり、気分が落ち込んだりします。
それとは逆に、お腹が満たされると、気持ちが落ち着いて、リラックスモードに入ることができます。
テレビやネットには、糖質制限や脂質制限などの健康情報が氾濫していますが、心を安定させて、イライラせずに毎日を送るためには、食べたいものを食べることが有効な手段といえます。
食べることが悪いのではなく、問題なのは偏った食事による「栄養不足」です。
極端なダイエットによって、ブドウ糖やタンパク質が不足すると、イライラの原因になります。
日常的な過食は肥満の元ですが、「少し太めの人はイライラしにくい」というのは、イメージの問題ではなく、理屈にかなっていて、好きなものを食べて楽しく過ごしていた方が、免疫力を高めることにもなるのです。