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シニア世代の家計は、現役世代と比べてどのような特徴があるのでしょうか。赤字生活に陥らないために、予算オーバーしやすい項目ごとに支出を見直すポイントを伝授します(構成=村瀬素子)

注意すべきは予測不能な出費

限られた収入と老後資金で暮らしていくことになる高齢期は、現役時代のようにお金を使っていると過剰支出となり、家計は苦しくなる一方。

それは皆さんも、よくわかっていらっしゃるのでしょう。シニア世代の方々の家計収支を見ると、年金収入に応じて支出を抑えているご家庭が多い。

退職直後は現役時代の金銭感覚で大幅な赤字になるケースもありますが、その後は節約の努力をされて、だいたい1、2年で年金+月1~2万円の支出に収まっていきます。

では、何が高齢期の家計を圧迫するのか。そのほとんどは、日常的な支出ではなく「特別支出」です。たとえば、固定資産税や自動車税、家の修繕費、家電の買い替え費など。

現役時代はボーナスでまかなえても、年金生活では不意に何十万円、何百万円もかかる特別支出が発生すると、年間の赤字は大きく膨らみます。加えて、子や孫への援助費用や年を重ねるほど増えていく医療・介護費が、老後資金を減らす要因になるのです。