田沼意次像(写真提供:Photo AC)

 

時代の境目にあった幕府の政策変化

まず、初期から中期への変化は、統治政策の根本が「武断政治」から「文治政治」へ変化したことでした。

一方、中期から後期への変化は、経済政策の根本が「重農主義」から「重商主義」に変化したことでした。

蔦重が活躍しはじめたのは、江戸後期のとば口、田沼意次(おきつぐ)が政治的実権を握り、彼の重商主義的な政策によって好景気に湧いた時代です。

 

※本稿は『蔦屋重三郎と江戸の風俗』(青春出版社)の一部を再編集したものです。


蔦屋重三郎と江戸の風俗』(著:日本史深掘り講座(編集)/青春出版社)

歴史は、舞台裏がおもしろい! 

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ほか、浮世絵、出版事情、吉原から、芝居、グルメ、ファッションまで……“江戸のメディア王”が躍動した時代の本当の楽しみ方がわかる本。