先日まで出演していたミュージカル『モーツァルト!』なんてもう、舞台に出ればレオポルトになれますから、袖で待機している間に読書を楽しんでいました。大阪公演の間だけでも、5、6冊は読んだんじゃないかな。

本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』(凪良ゆう著)には感動して、涙まで流していました。舞台から流れてくる音楽がBGMとなって、より感動を深めてくれるんだよ(笑)。舞台上に出ずっぱりの『スウィーニー・トッド』や『屋根の上のヴァイオリン弾き』では、さすがに読書はできないけどね。

でも、舞台を降りたら市村正親に戻り、舞台に出た瞬間、集中して役を生きるのは同じ。だからこそ、毎回新鮮に役を生きることができるんです。

24年は『スウィーニー・トッド』から『モーツァルト!』と、舞台が続きました。25年も『ラブ・ネバー・ダイ』に始まり舞台が目白押し。

なかでも嬉しいのは『屋根の上のヴァイオリン弾き』で全国9ヵ所を回れること。さらにその東京公演が明治座であること。

僕は、西村晃さんの付き人時代に2度、明治座に出ているんです。それ以来の明治座で、しかも今度は座長として立てる。西村さんも、そのときご一緒した三木のり平さんも言ってくれるんじゃないかな。「いっちゃん、頑張ったな」って。

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