女性に《自分は無力》と信じ込ませ

最近見たインド映画『花嫁はどこへ?』に、印象的なセリフがありました。

嫁ぎ先へ向かう途中で迷子になった花嫁が「女は無力だ」と嘆くのに対して、彼女を助けた飲食店のおばさんが、「女は働けるし、子どもも生んで育てられる。男はあまり必要じゃないが、それに気づかれたら男はおしまいだろ」と言うのです。だから女性に《自分は無力》と信じ込ませる詐欺を、男たちは続けているんだ、と。

日本の社会も、同じような状況ですよね。そこにはマスコミの罪が大きいと私は感じています。

たとえばスポーツ選手や芸能人と結婚した女性が、それまで順調にキャリアを重ねてきたのに、「家庭に入って夫を支える」と発言し、それが素晴らしいことのように報道される。CMでも、お取り寄せの名産品を男性たちがわいわいと美味しそうに食べている後ろで、女性が料理をしていたりします。

そうした、「男性に都合のいい女性像」が子どものうちから刷り込まれてしまうと、男女ともに生きにくい世の中からはなかなか抜け出せない。雅美は、令和になってもちっともよくならないマスコミの表現を変えるため、昭和の世界で、ラジオ局やテレビ局にせっせと抗議のハガキを送ります。