肺炎が起こらなくなったケア&トレーニング

そこで女性にいろいろたずねてみると、60代から水を飲むとむせることがあったといいます。ただ食事でむせることはありません。

また夜間のせきで目覚めることがあるとのことでした。これは夜間睡眠中の唾液の誤嚥(不顕性誤嚥)による肺炎を疑う経過です。夜間にせきをするのは、誤嚥した唾液を吐き出そうとしていたのです。

そこで、女性には口腔ケアと、毎食前30秒の唾液を飲み込む練習をすすめました。口腔内細菌を多く含んだ唾液の誤嚥が問題ですから、口腔ケアで口の中をきれいにして、飲み込み力を高めるため、のどのトレーニングを行ったところ、肺炎は起こらなくなりました。

長引くせきにはさまざまな病気が疑われますが、誤嚥性肺炎はその1つです。「せきが長引くことはしょっちゅうあるから」といって、放置しないで、医療機関を受診してほしいと思います。

<『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』より>

※本稿は、『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。


「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(著:大谷義夫/主婦の友社)

食事中にむせる、せき込む…頻繁に起こるようになったら要注意!

のどの機能を鍛える「のどトレ」など、肺炎にならないためのカンタンな習慣を紹介します。