子どもに何度「勉強しなさい」と声をかけても、まったく勉強する気配がない…と悩む親御さんもいるのではないでしょうか。一般社団法人 教育デザインラボ代表理事の石田勝紀さんは、1週間のやることを手帳に書き、それが完了したら赤ペンで消すだけという「子ども手帳」の仕組みを考案し、大きな話題になりました。そこで今回は、石田さんの著書『勉強しない子には「1冊の手帳」をあげよう! パワーアップ完全版』から、石田さんが開発した「できたよ手帳」を年長の娘と実践したCさんの実例レポートをご紹介します。
『できたよ手帳』を使うようになった理由は?
幼稚園ではしっかり者でいろいろなことがうまくでき、先生からの評価が高い子です。しかし、家では親が言ったことを簡単にはやってくれない子で、小さい頃から何かと苦労してきました。
幼稚園から帰る、チャイルドシートに座る、食事をする、お風呂に入る、歯磨きをする、寝るなど生活の一つ一つに時間を要していました。
さらに、自分の思うようにいかないとすぐにかんしゃくを起こしたり、妹のおもちゃをわざと取ったり、自分の順番が一番じゃないと怒ったり、間違いを指摘されると相手を睨みつけたりする様子がありました。
成長するにしたがってしぶしぶではありますが、親がすすめると幼稚園の用意や生活面で必要なことはやるようになりました。ただ、文句をブツブツ言いながら嫌な顔をして行動するので、親としても気持ちのいいものではありません。
やることを親から指示されるから子どもが嫌な顔をするのではないかと思ったのと、できれば私たちも口うるさく言いたくなかったので、自分から実行できる仕組みづくりのために『できたよ手帳』を子どもに提案しました。すると「やってみる!」という答えが返ってきたので開始しました。
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未就学児から小2の子どもが使うのに便利な『できたよ手帳』(写真:『勉強しない子には「1冊の手帳」をあげよう! パワーアップ完全版』より)
また、小学校受験を検討していたことから、手帳を使うことでプリント学習をうまく進めていけるのではと考えました。