ゴールと進捗を見える化する

大人がイメージできる例をあげてみましょう。

車の運転免許を持っている人は経験があると思いますが、教習所で教官の指導を受けながら車を運転しているときはつまらなかったのではないでしょうか。

(写真提供:Photo AC)

「次のところ右曲がって」「ここで一旦停止」「ここはスピードをだして」と教官に言われるまま過ごし、時間になると「はい、終了」となります。

ところが、免許を取り、ドライブに出かけるために目的地をナビにセットし、表示されたルートにしたがって運転をしていくと楽しくなります。今、自分はどこにいるのかがリアルタイムでわかり、ゴールまでどのくらいなのかが理解できると、運転のやりがいがでてくるのです。

これを子どもの勉強に置き換えてみます。

小学生は毎週といっていいほど、漢字の宿題やテストがあります。たとえば、小学3年生は約200個の漢字を学びますが、実際に200個習うことを知っている子は少ないでしょう。

そのため、毎週のテストで次々と新しい漢字が出題されると、「一体、いつまで漢字の練習をやるのだろう? 一生やるの?」という終わりのない感覚におちいる子がいます。

しかし、終わりは必ずあります。もちろん200個習ったら終了です。でも、ゴールを知らずに進めていると、だんだんとやる気を失っていきます。

人は、ただ言われたことだけをやり続けることに苦痛を感じるものです。しかし、今の自分の位置がわかり、ゴールにだんだん近づいていることがわかれば、逆にやる気がでてきます。

つまり、200個の漢字をプリントアウトして壁に貼っておき、終わった漢字を消していけば、あといくつ習うのかが一目でわかります。すると「あと*個だからがんばろう」と、やる気になるのです。

これを「成長の見える化」と言います。