なぜジムは挫折してしまうのか?

高橋くんは深呼吸をして精神的ダメージを回復させ、話に戻ります。

「……まあたしかにジムって続かないですもんね。でも、なんで家ではできてもジムだとあんなに挫折してしまうんでしょう?」

「それは、やることが増えて『面倒だなあ』という気持ちが膨らむからだよ」

そう言って博士は、何かホワイトボードに書きはじめます。

やること:ジムに行く場合
1 ベッドから起き上がる
2 タオルや着替えを用意する
3 外に出られる格好に着替える
4 ジムまで移動する
5 筋トレをする

やること:家で筋トレをする場合
1 ベッドから起き上がる
2 筋トレをする

「状況によって多少変わるけど、普通はジムに行くほうがやることが多いよね。その一つ一つが『面倒だなあ』という気持ちを膨らませて、僕たちに『もう今日はいいや』と思わせてしまうんだ」

「なるほど。たしかに着替えを準備したり、寒い中ジムまで行ったりするのって、かなり面倒ですもんね」

「そうなんだよね。1日や2日ならがんばれるかもしれないけど、習慣化は何十日も続くから、『面倒だけどがんばる』には無理があるんだ。遅かれ早かれ、『もう今日はいいや』と心が折れてしまう。その点、『準備も含めて5分』くらい簡単なことなら、何日経っても無理なく続けられる」

「へえ、意外とちゃんと考えられてるんだなあ」

高橋くんは素直に感心しました。