税の問題や経済は難しい
江戸時代には、その前の時代である中世と違って、庶民がぐぐっと台頭してきます。彼らの経済活動は広範で多様化しており、捉えるのは簡単ではありません。
現在の財政を考えてみてください。
国民民主党やれいわ新選組などは「減税」「消費税廃止」を強く訴えている。でも、同じ野党であるはずの立憲民主党は、いま減税したらそのツケが若者世代に及ぶとして、こと税金に関しては、自民党や財務省寄りの姿勢を示しているように見えます。
どちらが正しいのか、ということをここでは問題にしません。「税の問題や経済はそれだけ難しい。見方が一つではない」ということを確認したいのです。
庶民が経済の主人公であった、というのは江戸時代も現代も同じです。だから既に多様化していた当時の経済状況を捕捉するのは、まったく容易ではないのです。