高級見せ物となった「エレキテル」

安永5年(1776年)、長崎で手に入れたエレキテル(静電気発生機)を修理して復元することに成功しました。バチバチッと電気を発するエレキテルは話題を呼んで高級見せ物となり、その謝礼金は彼の生活費になりました。

ベンジャミン・フランクリンが凧を上げて雷が電気であることを突き止めたのが1752年。当時、世界的な水準からして、電気はようやく学問的な解明が始まったところでした。

ですので、この器械を用いて源内が何らかの研究を行ったというのなら大きな意味があるのですが…結局はバチバチッ、で終わり。

人々も源内自身も飽きて忘れていったようです。

実際、日本で電気学が始まるのは、大坂の橋本宗吉(1763~1836)の登場によって、ということになります。