人間の体の「耐用年数」

私は、人間の体の「耐用年数」は50年そこそこなのではないかと考えます。長らく「人生50年」と言われてきました。実際に、明治、大正、昭和も戦前までは、平均寿命の統計は40代でした。衛生状態や医療環境が悪く、乳幼児や若者が多く亡くなった時代ですが、大人の多くは50歳そこそこで亡くなっていました。

「初老」が40歳を意味する言葉だったことや、還暦が長寿のお祝いだったことも「人生50年」を裏付けています。織田信長が好んだという『敦盛』も、「人間五十年」という文句で始まりますね。

『いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』(著:萩原祐介/河出書房新社)

私はこの50歳そこそこというのが、野性的な状況下での人間の寿命なのだと考えます。私たちの体は、60年も70年も生きることを想定してできていません。そのような身体的な進化もしていません。

平均寿命が延びても「四十肩」という言葉がなくならないのはそのためのように思います。筋力低下とも関係があると思います。