近視の進行を食い止めるには

子供の近視は適切な処置をすれば進行を食い止められます。

1つの対処法として、低濃度アトロピン点眼薬を用いる方法があります。通常アトロピンは瞳孔を長時間広げる効果がありますが、低濃度であるため瞳孔を広げる作用を回避しつつ副作用もほぼありません。毎日就寝前に1滴、点眼するだけで、近視の進行を平均30%程度軽減させることが期待されています。

オルソケラトロジーという近視抑制の特殊なコンタクトレンズも近視をコントロールする手段として有効です。

夜に装着するハードレンズが角膜を圧迫して、形状を矯正し、裸眼視力を一時的に回復させるものです。子供の場合、眼球の伸長を抑制できる効果が期待できます。

近視の進行を抑えるためには、近くでものを見続けないように意識し、屋外活動を増やすことが大切です。もともと太陽の光を浴びるという行為のメリットは眼だけにとどまらず、心身共に良い影響があるはずです。

できるだけ外に出て、元気に遊ぶことを意識するのが良いのではないでしょうか。

※本稿は、『一生目が見える人のすごい習慣』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

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一生目が見える人のすごい習慣』(著:真鍋佑介/扶桑社)

視覚は生きていく中で最も重要な感覚です。私たちは日常生活で得られる情報の8割を視覚から得ていると言われています。ですので、目という器官の健康を維持し、一生目が見えるようにしていく習慣作りが大事です。いくつかの急性疾患を除き、視力や視野は急激に悪くなるものではなく、だんだんと、ゆっくりと、しかし着実に悪くなっていきます。人生100年時代と言われる今、ずっと目が見える生活を送っていくなら、早めの検査、早めの生活改善、早めの治療が本当に大事になっていきます。日々の生活の中での食事や運動、睡眠と些細なことでも毎日続けていけば確実に変化があります。