口腔機能の衰えを自覚するのは難しい

日本老年歯科医学会によると、口腔機能が低下している割合は年代別で、40歳代36%、50歳代48%、60歳代62%、70歳代83%となっています。

つまり、筋力が衰え始める40歳代では既に約4割の人の口腔機能が低下しており、50歳代では2人に1人、70歳代になると既に8割以上の人が低下していることになります。

しかし、そのほとんどの方は、ご自身の口腔機能の低下に自覚がありません。

全国に先駆けて口腔機能対策事業に取り組んでいる志木市(埼玉県)では、口腔機能が低下した市民を対象に口腔機能測定会・指導会・講演会を行なってきました。著者がその測定会で行った「口腔機能(特に飲み込み)に悩みがありますか?」の質問には、実に93%の人が「ない」と回答していました。

この数字だけを見ても、「口腔機能の低下を自覚するのはとても難しい」ということがわかるでしょう。

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だからこそ、顎や舌のトレーニングを習慣化し、継続することは、健康作りの基礎となります。以下に簡単なトレーニング方法をご紹介します。