英霊たちに申し訳なくてたまらない
江原 人々の欲望がエスカレートする一方で、この国の若い人の死因で最も多いのが自死だというのですから皮肉なものです。
倉本 僕も時々、もう死にたいと思いますよ。こんなに人々の心が汚れている世の中に生きていたくない、とね。
江原 でも先生、だからこそ『ニングル』のような作品が必要なのではありませんか?
倉本 僕は自分の仕事を「心の洗濯屋」だと思っていますが、洗濯した端から汚れてしまうんですから、やりきれませんよ。
江原 どうにもならないところまで来ているということなのでしょうか?
倉本 逆に江原さんに訊きたいですよ。
江原 スピリチュアリズムは、たましいを磨いて綺麗なものへと浄化させるための考えなのですが……。残念ながら、人は行きつくところまで行かなければ、綺麗なものが出てこないのだろう、と思うのです。