がんのステージで、かかる医療費が変わる

鎌田 メタボが原因で、がんになるケースもあるんですよ。異所性脂肪といって、内臓脂肪がたまると同時に、本来は脂肪がないはずの場所に脂肪がついてしまうこともあるんです。その代表が脂肪肝です。

荻原 脂肪肝を放置すると、肝硬変になって、そこから肝臓がん……という流れですよね。

荻原博子
荻原博子さん(写真:『お金が貯まる健康習慣』より)

鎌田 そうです。以前なら肝臓がんの主な原因はウイルス性肝炎だったんですが、抗ウイルス薬のおかげでずいぶん減らすことができました。一方で増えているのが、脂肪肝からの肝臓がんです。内臓脂肪をためないこと、減らすことはとても大切なんです。

荻原 がん検診に行くことも大切ですよね?

鎌田 もちろんです。早い段階でがんが見つかると治療も短期間ですむし、医療費もそんなにかかりません。一方、進行してから見つかると入院期間が長くなったり、抗がん剤治療が長期間にわたったりするので、医療費の負担も段違いです。

ここに全日本病院協会の資料(2023年度)があるんですが、直腸がんの例ですと、ステージ0(がんが粘膜内にとどまっていて、リンパ節転移がない場合)で見つかった人の1回の入院にかかる医療費は約49万円ですが、ステージ4で見つかった人は約179万円と大きな差がついているんです。