厚生労働省が公表する「令和3年度 医療保険に関する基礎資料」によると、1人が生涯にかかる総医療費は約2800万円(自己負担は最大3割)だったそうです。お金の不安がなく、健康なシニアライフを送るにはどうすればよいのでしょうか?今回は<健康のプロ>医師・鎌田實さんと<お金のプロ>経済ジャーナリスト・荻原博子さんによる共著『お金が貯まる健康習慣』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。
糖尿病患者の認知症発症リスクは約2倍
荻原 糖尿病の医療費は、合併症が多いほど金額が上がります。合併症が3つあると医療費は約2倍になるそうです。しかも糖尿病になると、認知症にもなりやすくなると聞いたんですけれど、本当ですか?
鎌田 そうですよ。血糖値が正常な人に比べて、糖尿病の人は認知症の発症リスクが約2倍に高まることがわかっています。
荻原 2倍! 甘いものが大好きな私は気をつけなくちゃ……。
鎌田 高血圧も認知症のリスクを高めます。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究で、最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上の人は、正常な血圧の人よりも認知症のリスクが49%も高まることがわかったんです。血糖値と血圧は要注意です。