テレビの草創期から活躍を続ける黒柳徹子さん。91歳になる彼女が今もMCを務める『徹子の部屋』は、2025年2月2日で50年目に突入。本日(2月28日)夜8時からは、50年目を記念した、『徹子の部屋50年目突入SP』が放送される。半世紀もの間、1万人以上のゲストと対話してきた徹子さんに、番組への思いを聞いた(構成:篠藤ゆり)
編集をしないのは賭けのようで面白い
50年って、やっぱり長いなと思います。ここまで続けられたのは、私がこの番組を好きだったからでしょうね。今まで「今日はお休みにしたいな」とか「休んじゃおうかな」と思ったことは一度もありませんでした。
『徹子の部屋』が始まる際、「スタッフを替えない」「できるだけ長く続ける」「なるべく編集をしない」という3つの条件を出したんです。
前にいろいろな番組をやっていて経験があるんですけど、スタッフが替わると「あの時どうだったっけ?」と聞いてもわからないんですね。だから「あの時どうだったっけ?」と聞いたら「こうでしたよ」と答えてくれるスタッフがいたらいいな、と思ったんです。
長く続けるためには、私の性格をまず呑み込んでもらうのも大事だと思いました。私をわかっていただかないと、「こうじゃありません?」と言っても、「いや、そんなことはないでしょう」なんて、面倒なことになるので。(笑)
「なるべく編集をしない」は、生放送に近い感じにしたかったから。続けているうちにいろいろな方から、「『徹子の部屋』ではゲストの方が本当のことを話してくださる」と言われるようになって。
それはやっぱり、生放送と同じように、おっしゃったことをそのまんま放送するからだと思うの。それも、番組を長く続けるために必要なことだったと思います。
編集をせずにほぼ時間ぴったりに聞きたいことを聞き終えられるかどうかは、ちょっと賭けみたいなところもあって、けっこう面白いですよ。それができるのは、やっぱり生放送の経験がたくさんあるのも理由のひとつだと思います。
私は日本でのテレビ放送スタートと同時にNHKの専属俳優としてテレビの仕事を始めたんだけど、当初はドラマも生放送でしたから。ドラマが生放送だというと、今の方たちはみなさん、信じられないとおっしゃいます。