【本を装う】
『婦人公論』1991年1月号の表紙を飾った「 読書する女」(1990)

そして、91年から『婦人公論』の表紙画がスタート。第1回の「読書する女」で描いたのは、自宅で夜、犬と一緒にくつろぎながら本を読む女性。

窓の外は一面の雪で、メリーゴーラウンドのように馬が走っている。これは女性の頭の中に広がる景色かもしれないし、窓に映り込んだ異空間かもしれない。

いつもは物語の世界を描いていたけれど、『婦人公論』では一人の女性を主人公に、私がつぶやくように物語を紡いでいきました。入院していた父が亡くなったのは、そんなときのことです。

 

【本を装う】『婦人公論』表紙1991年1月号~1998年3月号
最初の5年間は「~する女」がテーマ。何かの動作をしている女性を描いた。続く2年間は、平塚らいてうからリリアン・ヘルマンまで世界各国の心惹かれる実在の女性たちがモチーフに

後編につづく


山本容子版画展世界の文学と出会う〜カポーティから村上春樹まで
第II期:2025年3月3日~5月27日/早稲田大学村上春樹ライブラリーにて
『不思議の国のアリス』など、児童文学をテーマにした作品を展示