3年間の活動が映画に
角野さんの日常やコンサートの模様を撮影した映画『角野隼斗ドキュメンタリーフィルム 不確かな軌跡』が、2月28日から全国で劇場公開される。角野さんのリラックスした姿と演奏にのぞむ姿のギャップも魅力の映画だ。
2021年にTBSテレビのドキュメンタリー番組『情熱大陸』での密着取材がありました。その時のディレクターが今作の監督です。当時は映画の話はなかったのですが、その後も動画配信サービス「Paravi」のドキュメンタリー番組『Real Folder』で密着取材があり、2年前にそれをまとめた映画化の話がもちあがりました。
僕は、撮られることに抵抗がなく、寝ぐせのついた髪や、ずっと着ているボロい普段着での撮影も平気。でも、映画化には、最初はしぶっていました。
映画となるとお客様は2時間くらい座って観る。自分のドキュメントは、お客様にとって面白いのか?と考えたからです。でも、日本武道館の大きなコンサートを映画に収めるのは良い機会と思い、受けました。
完成した映画を観たら、自分が緊張してピアノを演奏しているのを見ることができて面白かったですよ。3年前の自分が出てきて、しゃべり方は子どもっぽいし、カップラーメンを食べているし。もう食べなくなりましたが、ラーメン自体は好きです。
今は食事のバランスを考えて、野菜をいかにとるかを考えています(笑)。僕は考えることが好きで、書くことも好きですが、それをまとめるのにすごく時間がかかるので、映画の次は本を出したいなどは、今のところ考えていないです。

取材のために渡した雑誌『婦人公論』のページを、パラパラとめくる指先の動きは見とれるほど美しく、インタビュー中もテーブルの上をピアノを弾くように指で軽く叩いている。撮影に応じる動きも軽やかで、角野さん自身から音楽が流れてくるようだ。10年後の角野さんは何をしているのだろうか?
10年後の僕は「不確か」なのです。この言葉は便利ですよ。今日は10回くらい使っています。(笑)
出演:角野隼斗
監督:望月馨
公開日:2月28日(金)に全国ロードショー
公式HP:http://www.bsfuji.tv/futashikanakiseki/index.html
日本の学問において理系の最高峰である東京大学理科一類に進学しながらも、クラシック音楽界で世界的に活躍する異端のピアニスト、角野 隼斗(すみの はやと)。ピアニストとして世界を相手に戦う角野隼斗とは一体何者なのか。これまでにない音を奏で、聴衆を惹きつけるのは何故か。そんな姿を3年間にわたって密着。今まで明かされなかった素顔、現在の思考、挑戦し続ける姿を追ったドキュメンタリー映画。
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