2021年10月23日の入賞者ガラコンサートで「マズルカ風ロンド」を演奏した反田さん【(C) W. Grz dzin ki / The Fryderyk Chopin Institute】
クラシック界最高峰のコンクールの一つ、ショパン・コンクール。2021年10月18日から20日(ワルシャワ現地時間)にかけて行われたファイナル(本選)では、反田恭平さんが2位、小林愛実さんが4位に入賞した。現地で全日程を取材した音楽ジャーナリストが、個性豊かなコンテスタント(コンクール参加者)たちのエピソードを明かす

演奏家たちの船出を後押し

ショパン国際ピアノコンクールは、全世界の若いピアニスト、とくに開催国ポーランドや同コンクールの人気が高い日本のピアニストたちにとって、憧れの舞台だ。スポーツ選手にとってのオリンピックと違うのは、その舞台に立つこと、さらに入賞や優勝は、あくまで音楽家人生において優位なスタートラインに立つことしか意味しない、という点である。

幼少期から練習と勉強を続け、音楽で生きていきたいという想いを胸に研鑽を積む彼らは、自分の音楽を世界のより多くの聴衆に知ってもらうきっかけを求め、コンクールに挑む。その意味で、重要なのは入賞することではなく、その後どう歩んでいくかということになる。スムーズな船出を後押ししてくれる機会の一つが、大きなコンクールでの成功なのだ。

また近年はコンクールの演奏がインターネットで配信されるようになったことで、結果にかかわらず、世界中に自分の音楽のファンを増やせるようになった。

 

《ショパン国際ピアノコンクールとは》

5年に1度、ショパンの祖国ポーランドの首都ワルシャワで約3週間にわたって行われる、ピアニストの登竜門といえるコンクール。課題曲はショパンの作品のみ。予備予選、3度の審査、ファイナル(本選)を経て優勝者が決定される(条件によって予備予選免除あり)。過去の主な優勝者に、マウリツィオ・ポリーニ、クリスティアン・ツィメルマン、スタニスラフ・ブーニンなどがいる