欲望まみれの私
自分でもうんざりしている。だから私には友達がいないんだ。こんなに強欲で卑怯な人間と友達になりたいわけがない。ひとりぼっちは自業自得だ。
現在だって嫉妬をしまくっている。面白いエッセイを書いているあの人を表面では応援しているが、心の中では「これ以上売れるな」と願っているし、本当は私の方が面白いのにどうして認められないんだ? と思っている。
お金持ちで素敵な夫とかわいい子どもがいて、高級なカフェで開催される女子会をしょっちゅう見せびらかしてくるあの子も妬ましい。いつも新しい服やバッグを自慢してくるけれど、あんたより私の方が絶対に似合うはずだから同じ服を着て見せつけてやろうかな? とか思ってしまう。
人に認められたい、評価されたい、愛されたいと欲望まみれの私は、いつも誰かに嫉妬をしている。家族に恵まれ、健康な身体で、仕事も順調。もう十分足りているはずなのに、幸せなはずなのに、どうしてもっと欲しくなってしまうのだろうか? どうしてこんなに人と比べてしまうのだろうか?
相手は相手、私は私。比べる必要なんてない。このままで満たされていると思えたなら、私の毎日はどんなに幸せなものになるだろう? いつも考えている。
なんとかこの醜い心を直そうと、嫉妬心が沸きおころうとする瞬間に全力で押さえ込もうとしてみても、その強くて激しい感情はどうしても心の隙間から形を歪ませて出てきてしまうのだ。