隙間時間で海外調査

その一方で大学の教員は、自分の専門分野とその最前線の状況を受講生に伝える。特に歴史学や考古学という分野はまさにそういうものだ(資格に関する授業とは根本的に異なる)。だからそれらの合間(隙間)を縫って海外調査に出掛ける。現場に身を置くのだ。

しかしここ数年は、夏休みとはいえ10日連続で時間を取ることもできないほどだ。これでは継続的な現地調査はできない。発掘ならなおさらである。というか事実上不可能だ。

その現実のなかでも何とか時間を見つけて、それを研究に当てようとする。国内を主要な研究フィールドにしていればチャンスもあるが、エジプトのような海外が相手ではなかなか困難なのである。日帰りの調査は望むべくもない(韓国・台湾ならば可能か)。

※本稿は、『考古学者だけど、発掘が出来ません。 多忙すぎる日常』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

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考古学者だけど、発掘が出来ません。 多忙すぎる日常』(著:青山和夫、大城道則、角道亮介/ポプラ社)

とにかく休みが来ない!

毎日17時間労働、2泊4日のエジプト弾丸ツアー、ジャングルで黒い物体に追われる……。

考古学者たちの「働き方改革」とは無縁な日々。