(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
遺跡や遺構から歴史を研究する<考古学>。日々発掘調査に出かけていると思われがちな考古学者ですが、古代エジプトを専門とする駒澤大学文学部歴史学科の大城道則教授によると、ここ数年は10日連続で時間を取ることができないほど多忙を極めているそうで――。そこで今回は、考古学者の青山和夫さん、角道亮介さんとの共著『考古学者だけど、発掘が出来ません。 多忙すぎる日常』から、大城教授のリアルな日常を一部お届けします。

大学教員はお気楽で楽しげな仕事?

一般的なイメージでは、好きなことを仕事としている大学教員とは、お気楽で楽しげな仕事のように思えるだろう。

確かに7月後半から9月半ばまで夏休みがあり(大学によってその期間に前後はあるが)、2月と3月には春休みがある。なんなら年末年始に冬休みというのもあるし、上手く調整すれば週に4日は授業なしの日が作れる。

世間では残業に苦しめられている医師や医療関係者が多いと聞く。「働き方改革だ」「労働時間短縮を」と政府は叫ぶが、ニュースではこの数十年間、過労死の話題が後を絶たない。

しかし、人間を扱わねばならない大学教員も昨今は目が回るほど忙しい。ぐるぐるだ。特に私立大学の教員は、総じて仕事が多い気がする。気のせいか??? いや、絶対気のせいじゃない気がする……。

だって学生からも「先生、仕事しすぎですよ! それじゃ過労死しますよ!」と心配の言葉を聞くことがしばしばだからだ。