日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「吉原の営業」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
五人もの客を押し付けられた瀬川
前回のドラマで、吉原一の花魁となった瀬川は、盲目の大富豪・鳥山検校から身請けを申し込まれました。
その話を知った蔦重は瀬川への恋心を告白し、年季明けに一緒になることを約束。瀬川も身請けを断ります。
しかし松葉屋の主人・半左衛門と女将・いねからは二人の関係を見抜かれ、結果として「襲名披露のご祝儀に大金がかかった」といった理由で、瀬川は一日に五人もの客を押し付けられることに…。
今回はこのあたりの描写を見ていて気になったことを記したいと思います。