将来、横綱としてライバルになることを期待

初日恒例の八角理事長(元横綱・北勝海)の協会御挨拶に、初登場した王鵬が気になった。先場所、巴戦による優勝決定戦で豊昇龍に負けて優勝を逃したが、小結を飛び越えて関脇になった。いつものどっしりした王鵬の雰囲気がなく、やる気があり過ぎるのか、緊張しているのか、フワフワした感じ。心配が当たってしまい、取組では、土俵際で前頭2枚目・千代翔馬の見事な上手投げにより敗れた。豊昇龍は、暴れん坊横綱と言われた朝青龍の甥、王鵬は昭和の大横綱である大鵬の孫。王鵬は、豊昇龍と初土俵が同期で、将来、横綱としてライバルになることを期待しているので、私はひたすら勝利を祈っている。

もの凄く心配なのは、昨年の九州場所で優勝して、先場所は横綱昇進をかけた場所だったが5勝しかできなかった大関・琴櫻だ。今場所はカド番で、負け越せば大関を陥落する。

『相撲』の春場所展望号(2025年3月号 ベースボール・マガジン社)を読んでいたら、琴櫻への取材記事があり、先場所7日目に締め込みを変更した理由が分かりやすく書いてあった。体重が減って「しっくりこない。もう替えるしかなかった」とあり、苦しかったことだろうと想像した。初日は、前頭筆頭・若元春に寄り切られてしまった。琴櫻も豊昇龍のライバルになってもらいたいから、早めにカド番脱出して欲しい。

一方、大関・大の里は、前頭筆頭・若隆景を切り返しで破り、調子が良さそうに見えた。

若元春と若隆景は、兄弟で前頭筆頭というのは感動的ではなく、お二人は小結以上に存在するべきである。