花魁に恋をした奉公人・久蔵の話
主人公は神田紺屋町にある染物屋吉兵衛の奉公人、久蔵。
久蔵は26歳まで遊び一つしないまじめな男でしたが、友人に誘われて吉原の花魁道中を見物し、女郎・高尾太夫に恋します。
でも高尾は大夫という、それこそ瀬川クラスの最高位に立つ花魁。奉公人では相手にならないと知って、寝込んでしまいます。
彼を診察した医者の竹内蘭石は久蔵の話を聞き、金を用意すれば俺が会わせてやると約束します。久蔵は喜び、一生懸命働いて、3年で9両をためました。
主人の吉兵衛が1両を足してくれて10両。これを持って蘭石宅に行くと、遊び慣れた蘭石は彼を金持ちに仕立てて吉原に連れて行き、首尾良く高尾大夫に会わせることに成功します。