
(イラスト:いだりえ)
日本医療政策機構が行った「メンタルヘルスに関する世論調査」(2022年)によると、こころの不調を感じたとき、相談できる相手・場所が「ない」と約30%の人が回答。25.8%の人が相談できる「知人・友人」がいると答えています。しかし、否定的な言葉で心を乱してくる人たちもいて――。最善の選択は、その原因と距離を取ることなのでしょうか。豊田美里さん(仮名・滋賀県・無職・63歳)は、大人になっても交流が続いていた中学生の同級生との会話に、違和感を覚えるようになり――。
「でも」レシーブに圧倒されて
自慢ではないが、私はかなりのネガティブ思考である。自分への自信のなさの裏返しなのか見栄っ張りだし、母親から否定されて育ったせいで、他人の長所を素直に褒めることができない。
人の悪口を言うのも大好きで、話していると1~2時間があっという間に過ぎる。そんな私が、これまでの人生で自分よりもネガティブだと思い、そっと縁を切った知人が一人いる。
A子は中学時代の同級生。当時はそこまで仲良くなかったのだが、大学生の時にたまたま近所でばったり再会して以降親交を深め、恋愛相談などに乗ってもらう仲になった。
私が就職して一人暮らしを始めると疎遠になったものの、23歳で結婚して実家で暮らすようになってからは再び会うように。30代になり今度は彼女のほうが結婚して実家を出たことで会わなくなっていたが、40代前半の時に行われたクラス会を機に、交流が復活した。
A子は昔からまあまあ勉強ができた。大学時代はなんでも相談に乗ってくれたし、性格もいいほうだったと思う。その頃は浅黒い肌でスポーティな印象だったが、久しぶりに会った彼女は、あか抜けて、かなりの美人へと変貌を遂げていた。