ゲネを終えて取材に答えるキャスト
2025年3月19日から23日まで、東京・新国立劇場・小劇場にて、ペナルティ・ワッキーがプロデューサーを務め、自らも出演する舞台「Mother~特攻の母 鳥濱トメ物語~」が上演されている。戦後80年を迎える今年、「なぜ、何のために彼らは突撃できたのか」を問い、「彼ら1人1人にそれぞれの人生があったことを忘れさせやしない」という鳥濱トメさんたちの思いを受け継ぐ舞台となっている。

3月19日、初日の開演前にゲネプロと取材会が行われ、プロデューサー兼特攻隊隊長・久保田利雄役のワッキーや主演・鳥濱トメさん役の浅香唯、久保田の妻役で、元フィギュアスケート選手の安藤美姫、金山文博役の太田博久が、感動冷めやらぬ中、本番に向けての意気込みを語った。

「Mother~特攻の母 鳥濱トメ物語~」は、知覧で富屋食堂を営み、特攻隊員の面倒を見続け”母”と慕われた鳥濱トメさんの半生を、実話をもとに舞台化したもの。2009年の初演から年に1回上演され、141公演を数える。

今回はワッキーのオファーで、自身の弟と娘の出演がご縁で本作品のファンだったという安藤美姫が久保田の妻役で演技に初挑戦した。また、お笑いコンビ「ジャングルポケット」の太田博久も、物語の重要な役どころである、朝鮮出身の特攻隊員、金山文博役を務める。

この舞台をライフワークとして今回はプロデューサーとしても関わったワッキーは「ゲネプロの自分の出来は100点。1年をかけて準備してきたものが初日を迎え、うれしい。不安もありますが、うれしさが勝っています」と語った。

出撃前に「何か芸術作品を残したい」という堀川隊員に、生け花を教えるトメさん