生没年や経歴は“ナゾ”の鳥山検校
その当道関係のものが含まれている久我家の文書。國學院大學に所蔵されている、貴重な歴史資料です。
ちなみに久我家の読みは<こが>。村上源氏の中心的な家で、当主は太政大臣に昇進する事例があります。
また女優の久我美子さんは侯爵・久我通顕さんのご長女。通顕さんはお嬢さんが女優になることに難色を示しましたが、「こが」でなく「くが」と名乗ることを条件に許可したそうです。
ああっと、つい中世史研究者としての興味ゆえに筆が滑りました。そろそろ鳥山検校について説明しましょう。
そもそもこの人、実在はしたのでしょうが、生没年や経歴は“ナゾ”。江戸っ子の噂話の中に登場してくる人物です。
江戸幕府は当道座を公認し、税金を免除しました。このため、盲人の中には、芸能・鍼灸以外に「官金」と呼ばれる金融業に従事する者が現れました。
鳥山検校はまさにその代表で、高利でカネを貸し付け、乱暴者を雇って取り立てを行い、莫大な財力を手に入れました。